2012年01月21日(土)
今日は主にiPhoneアプリのシヴィライゼーションをしていましたが、それとは関係ない話をします。
「事実は小説より奇なり」と言います。
小説よりも奇妙なことが、実際に起こるものですよー程度の意味なのですが、これの使いどころがわからない。だって、当たり前じゃないですか。
小説より奇妙なことが実際にもあります。これは紛れもない事実です。マンションの五階から落ちた赤ちゃんが、下の植木がクッションになって助かったとか、失語症の人が飛び降り自殺をしたら偶然助かって「生きててよかった」と言ったとか、豪華客船の船長が甲板から落ちて救命ボートの上に落ちて偶然助かったとか……落ちる以外の具体例が、今、出てきませんが、そういうことって、いくらでもあるでしょう。
事実は、小説より奇妙なんです。
こういう話が、小説だったら、こう言われます。
リアリティがない。出来すぎ。あざとい……そう言われるんです。
小説は想像の産物なので、いくらでも奇妙なことを起こすことが出来ます。でも、あまりに奇妙だと、ただ単に奇妙なだけになってしまいます。だから、小説では、むしろ「ありえること」しか起きません。小説の中の奇妙なことは、いかにもありえそうに書きます。
小説の中の「ありえそうな奇妙なこと」と、実際にあった「ありえないこと」では、実際にあったことの方が奇妙に決まっているのです。実際にあったことは、リアリティがないと編集さんに言われることもないでしょうからね。
だから、「これは実際に起った話なんですが……」と始まる話は、小説よりありえない話なんだなーと覚悟して聞くといいですよ。