2012年03月30日(金)
バルス!
さて。
またもや金曜ロードショーで「カリオストロの城」を見てしまいました。何回見てるんでしょうね、この映画。殆どのシーンを覚えてしまっています。カセットテープに録音して繰り返し聞いたりもしていました。はずかしいですね。
昔は、地上波の放送では廃城のプロレスシーンが必ずカットされていて、上映会で始めてみた時は、本当に感動したものです(毎回、カットされる程度なので、特にいいシーンという訳ではない)。
それにしても、自分もルパンと同じくらいの年齢になってくると、ずいぶんと見方が変わってきました。
一番大きな変化は、クラリスに魅力を感じなくなってきた事でしょうか。
物語の中で、クラリスはヒロインですが、絶対的な魅力がある訳ではありません。大人たちは、クラリスを常に奪い合っている訳ではないのです。特に、伯爵はクラリスにあまり興味がなさそうです。その点で、ルパンの「ロリコン伯爵」という台詞は、あまりにも的を得ていない批判でしょう
そのルパンも、クラリスに対してはどこかで一線を引いて、それを越えていないように思えます。大人の仮面を、おどけた道化師の仮面を、ルパンは終始被ったままなのです。
しかし、ルパンもどこかで心が揺れていたのでしょう。
ルパンは「何故クラリスを命がけで助けたのか」という理由を明かさずに立ち去ってしまいます。
ルパンとしては、若き日の雪辱戦であり、命の恩人であるクラリスへの恩返しなのですが、その事をクラリスには伝えませんでした。「俺のポケットには大き過ぎらぁ」と冗談めかしていっただけで、何も盗んだりしなかった。この事は、クラリスの負い目となるのではないかな……と、思うのです。それを、ルパンは思いやれなかった。
ルパンは、ラピュタのドーラ一味のように、何かを盗むべきだった。
それをしなかったルパンは、クラリスの心を盗もうとしていたのかも知れません。
それを瞬時に指摘した銭形は、やはり、ルパンの一番の理解者ですね。